カクテルスキルを磨いていましたが、まあ、これなら人様にも
飲んでもらえるレベルになっただろうということで。
ヴィクターは本屋さんのバイトのあと、ユージの店でバーテンダーとして
ときどき、働かせてもらうことにしました。
早速、新顔のバーテンダーに、女性客がついた模様。
美味しいと言ってくれてます。
よかったね、ヴィクター(^^)
弟がユージの店でバーテンとして働き始めたと聞き、偵察がてら、
仕事を終えたジェフが飲みにきました。
「お兄ちゃんが来てやったぞー。ここは、就職祝いで、お前のおごりだよな?」
「どうして僕が・・・。ただのバイトなんだよ?」
「美味いカクテルを作ってくれるんだろうな? ついでに、イイ女が来たら携帯の番号聞き出しておいてくれよな」
「だから、僕は、ただのバイトなんだったら。そんなことしたら、追い出されちゃうよ」
まあ、いろいろ無理なことを言ってきますが、
これでも、お兄ちゃんは、夜の仕事が到底似合いそうもない弟が心配で、
わざわざ、様子を見にやってきたんですよ(笑)
まだヘンな虫もついてない、かわいい弟ですからね。
それは、ヴィクターもちゃんと分かってるんです。
お兄ちゃんは、彼女を探してるんだな、さびしいんだな、って。
翌日、ヴィクターは、本屋のバイト帰りに、近くにセレブなヴァンパイアがいると知り、
サインをもらいに行きました。
「わ~、僕、4つ星セレブさんなんて初めてです。サインしてください~」
「あら、坊や。かわいい顔してるわね」
人懐っこい笑顔で話しかけてくるからか、ヴィクターは誰にでも受けがいいんですよね。
こちらの☆4のセレブ・ヴァンパイアとも、話が大いに盛り上がりました。
(話の途中で「お腹すいた」マークがヴァンパイアさんから出たので
ヴィクター食われちゃうの?と、ちょっとドキドキしましたが、
角度を変えると、後ろで本を読んでる男性のものでした。
まぎらわしいことしないでよ、もうー)
そうだ、お兄ちゃんは彼女が欲しいんだった。
女性の電話番号聞き出してくれ、って言ってたもんね。
ここは、ちゃんとお兄ちゃんのことも、アピールしておかなくっちゃ。
けなげなヴィクターは、セレブ・ヴァンパイアさんにジェフの話題を振ってみました。
「兄は若くて健康なスポーツマンなので、きっと、血も美味しいと思いますよ。
400cc献血にも、毎月行ってるくらいですから。血気盛んなんです」
「それはなんとも、美味しそうな話だわねぇ。今度、連れてらっしゃいよ。
お姉さんが、優しくもてなしてあげるわよ~(ふふふ)」
・・・ジェフ、身の危険が迫ってるんでないかい?
ところで、自宅二階のロフトはデフォのままで狭いため、息子たちの部屋には、
ダブルベッドが1つしか置けませんでした。
この年齢の兄弟には、普通、ありえない境遇ですが(^^;
でも、案外、そのほうが良かったのかも?
仲良く寄り添って眠る兄弟が、なんとも微笑ましいです。
(つい何枚も写真撮っちゃいました。・・・親ばか?)